太陽光発電で「売電」するには手続きが必要!申請期間や必要書類などを解説
LIBERAL SOLUTION
MAIL
太陽光発電で「売電」するには手続きが必要!申請期間や必要書類などを解説
太陽光発電

太陽光発電で「売電」するには手続きが必要!申請期間や必要書類などを解説

自宅に太陽光発電を導入すると、余剰電力を売電して収入を得られます。これを大きなメリットだと感じる方もいるでしょう。しかし、実際に売電するにはいくつかの手続きをしなければなりません。

 

どのような手続きをすればよいのか分からない方や、具体的な進め方を知りたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、太陽光発電の売電手続きについて詳しく解説します。手続き方法から必要な期間、用意する書類なども紹介しますので、あらかじめチェックしてスムーズに手続きしましょう。

 

手続きをして太陽光発電で「売電」しよう!

まずは、太陽光発電における売電の仕組みや固定価格買取制度の概要を解説します。いずれもこれから太陽光発電を導入するなら理解しておきたい知識です。あらかじめ確認し、納得してから導入することをおすすめします。

 

太陽光発電の「売電」とは?

売電とは、自宅に設置した太陽光発電によって生み出した電力を電力会社に買い取ってもらう仕組みです。

 

自宅で生み出した電力は基本的に自家消費しますが、発電量が消費電力より多ければ使い切れない分(余剰電力)が発生します。余剰電力は電力会社に買い取ってもらえますが、そのためにはあらかじめ所定の手続きをしなければなりません。太陽光発電による経済効果を最大限得るためには、売電収入の確保は必要不可欠といえます。

 

売電は固定価格買取制度によって行われる

太陽光発電の売電には固定価格買取制度が適用されます。これはFIT制度とも呼ばれ、対象となる設備で生み出した電力をあらかじめ定められた期間、一定の価格で電力会社が買い取る制度です。

 

住宅用太陽光発電(出力10kW未満)の場合、固定価格買取制度が10年間適用されます。具体的な金額は認定された年によって異なるので、事前に確認しましょう。10kW以上の太陽光発電設備の適用期間は20年間です。

 

「売電」と「買電」の違い

太陽光発電に関する話題では、「買電」というワードが売電とセットで登場します。それぞれの違いは以下の通りです。

 

・売電: 太陽光発電で作った電力を電力会社に買い取ってもらう

・買電: 消費する電力を電力会社から購入する

 

基本的に、発電量が多い好天時の日中は太陽光発電で消費電力を賄い、余剰電力を売電しましょう。夜間の電力量単価が安いプランを契約し、買電するのは太陽光で電力を生み出せない夜間をメインにするのが効率的です。

 

太陽光発電の売電開始に必要な手続き1.事業計画認定申請

太陽光発電で売電するには手続きが必要です。最初のステップとして「事業計画認定申請」をします。ここでは事業計画認定申請の方法や必要書類・期間をチェックしましょう。

 

事前に必要書類をそろえ、ポイントを押さえて申請すれば、スムーズに手続きを進められます。

 

事業計画認定申請とは?

事業計画認定申請とは、経済産業省から固定価格買取制度を利用する設備を認定してもらう手続きです。

 

事業計画認定申請では、設計・施工・運用・管理・撤去・処分など、太陽光発電の導入から廃棄までのサイクルをトータルで審査します。設備が要件を満たしているだけでなく、ライフサイクルの設計を適切にしていなければなりません。太陽光発電を事業目線で審査するので、計画の確実性が求められます。

 

事業計画認定申請に必要な期間

申請から認定までには、3か月~6か月以上必要です。ただし、事前に電力会社と接続契約を締結する必要があります。接続契約を締結してから事業計画申請しましょう。

 

接続契約を結んでいないと申請ができないので、早めに契約手続きをすることが大切です。添付書類が不足しているなど、不備があると認定までの時間が長引くので注意しましょう。

 

事業計画認定申請に必要な書類

申請する上で求められる書類は、太陽光発電の出力が10kW未満の場合と10kW以上の場合で異なります。住宅用は10kW未満であることが多いので、10kW未満のケースを見ていきましょう。具体的な必要書類は以下の通りです。

 

・野立ての場合:土地の取得を証する書類(登記事項証明書など)

・屋根上設置の場合:建物所有者の同意書類(建物の登記事項証明書など)

・接続の同意を証する書類(接続契約書など)

・構造図

・配線図

・委任状(代行事業者が申請するケースのみ)

・印鑑登録証明書(代行事業者が申請するケースのみ)

 

土地の取得を証する書類と建物所有者の同意書類はケースによってどちらが必要になるか異なるので、自分が設置しようとしている太陽光発電に適したものを用意しましょう。

 

事業計画認定申請の手続き方法

必要書類を全てそろえたら、以下の方法で手続きを進めましょう。基本的に、経済産業省の電子申請サイトから申請します。

 

1.再生可能エネルギー電子申請サイトにアクセスする

2.ユーザー登録してログインIDを取得する

3.取得したIDで再生可能エネルギー電子申請サイトにログインする

4.申請情報を入力する

5.添付書類をPDFもしくはZIPでアップロードする

6.認定されたら、認定通知書をダウンロードする

 

申請を業者に委託している場合は、申請情報を登録した後に設置を依頼した方の承諾手続きが必要です。確認メールが届くので、記載されている内容に従って承諾手続きしましょう。承諾しないと審査が始まりません。

 

太陽光発電の売電開始に必要な手続き2.系統連系申請

売電をスタートするには、電力会社に対して系統連系申請をする必要があります。系統連系申請の進め方と必要な書類、期間をチェックしましょう。

 

この手続きが完了しなければ太陽光発電の電力を売電できないので、ポイントを押さえてスムーズに進める必要があります。

 

系統連系申請とは?

系統連系申請は接続契約とも呼ばれ、一般送配電事業者が所有する設備に太陽光発電設備を接続するための手続きです。太陽光発電を設置した場所を管轄する一般送配電事業者に対して申請します。

 

申請を受けた事業者は需給バランスや設備の状況を確認し、問題がないことを確認してから連系承諾します。自宅で生み出した電力を売電するには、設備側から送配電網に送電しなければならないからです。

 

系統連系申請に必要な期間

申請から連系承諾が出るまでには、2週間~数か月程度かかります。申請を受けた一般送配電事業者は技術的な検討を実施し、問題がなければ連系承諾します。

 

住宅用で用いられる低圧連系の場合、通常は1か月程度で連系承諾に至るでしょう。ただし、申し込みが集中しているケースや大規模な工事が必要になるケースでは所要期間が長くなります。提出書類に不備がある際も期間が長くなるので、必要書類をきちんとそろえて手続きしましょう。

 

系統連系申請に必要な書類

系統連系申請ではいくつかの書類を提出することが求められます。主な書類は以下の通りです。

 

・系統連系申請書

・系統連系協議依頼票

・単線結線図

・付近図

・構内図

・主幹漏電ブレーカの仕様が分かる資料

・認定証明書(JET証明書)

・保護機能の整定範囲及び制定値一覧表

 

これらは一例で、系統連系申請する一般送配電事業者によって具体的な書類や書式は異なります。事前に管轄の事業者に確認し、必要書類を漏れなく集めることが大切です。

 

系統連系申請の手続き方法

系統連系申請はオンライン申請もしくは郵送で手続きします。スムーズに手続きを進めたいなら、オンライン申請を利用するのがおすすめです。以下の方法で系統連系申請の手続きをしましょう。

 

1.系統連系申請に必要な書類を用意する

2.設置場所を管轄する一般送配電事業者の申請サイトにアクセスする

3.申請内容を入力し、必要書類を提出する

4.一般送配電事業者から連系承諾の通知を受ける

 

太陽光発電の施工業者によっては、系統連系申請の代行が契約に組み込まれていることがあります。スムーズに手続きを進めるためにも、施工業者に依頼するのがおすすめです。

 

太陽光発電の売電手続きに関する注意点

太陽光発電の売電手続きをするときには、いくつか注意したいポイントがあります。ここでは、手続きの締め切りと売電開始後に求められる手続きを見ていきましょう。

 

それぞれのポイントをきちんとチェックし、予定通りに太陽光発電を導入して売電をスタートできるように手続きを進めることが大切です。

 

売電開始後にも手続きが必要なことがある

太陽光発電の容量によっては、売電開始後の定期報告が義務付けられています。定期報告には「設置費用報告」「増設費用報告」「運転費用報告」が含まれており、それぞれの要否は以下の通りです。

 

  太陽光発電の容量10kW未満 太陽光発電の容量10kW以上
設置費用報告 J-PEC補助金未受給の場合のみ必要 必要
増設費用報告 増設後の容量が10kW以上になる場合のみ必要 必要
運転費用報告 経済産業大臣が認めた場合のみ必要 必要

 

容量10kW未満の住宅用太陽光発電では一部の場合のみ定期報告が必要なので、自分のケースでは必要なのかきちんと確認しましょう。

 

売電手続きの締め切りに注意!

売電手続きのうち、事業計画認定申請には申請期限日(締め切り)が設けられています。2023年度の場合、出力10kW未満の住宅用太陽光発電は2024年1月5日までに申請しなければなりません。期限内に申請して問題なく認可された場合は、2023年度の買取価格が適用されます。

 

申請期限日までに申請していても、書類に不備があるなどして手続きが進められないケースでは、年度内の認定が受けられない可能性があるので注意しましょう。年度内に認定を受けたいなら期日ギリギリではなく、可能な限り早めに提出することが大切です。

 

サポートが充実した施工会社を選び、手続きをスムーズに行おう!

太陽光発電の売電手続きには、系統連系申請など業者に代行依頼できるものがあります。申請代行が契約に含まれていたり、別途費用を払えば依頼できたりする施工業者もあるでしょう。

 

売電手続きには専門知識が必要なので、スムーズに進めたいなら信頼できる施工業者に依頼するのがおすすめです。書類の不備や申請ミスなどで時間を浪費しないためにも、サポートが充実している施工業者に任せるとよいでしょう。

 

まとめ

太陽光発電の売電をスタートするためには、経済産業省に対する「事業計画認定申請」と設置場所を管轄する一般送配電事業者「系統連系申請」の2つの手続きをしなければなりません。

 

これらの手続きにはさまざまな書類が必要で、専門知識も求められます。スムーズに売電開始するには、信頼できる業者に依頼するのがおすすめです。リベラルソリューションでは、太陽光発電の設置から各種手続き、運用までをトータルサポートしています。

 

サポートの品質や信頼度を重視し、安心して太陽光発電を導入したい方は、ぜひリベラルソリューションにご相談ください。

 

関連記事一覧

  1. 太陽光発電

    太陽光発電は10年で売電終了?FITの概要と10年終了後の対策まとめ

    「太陽光発電パネルを自宅の屋根に設置すれば、電気代の節約になるし売電できるかも……」と考えている方は多いのではないでしょうか。一方で、「買い取り価格は下がっているようだし、固定価格買取制度(FIT)終了までに設置費用を回収できるかな……」との不安もあることでしょう。 

    10年で卒FITを迎えた後の対応に関してはさまざまな対策が存在しています。固定買取期間の過ぎた太陽光発電の余剰電力の買い取りについても、FITに変わる多種多様なサービスが登場しています。正しい知識を得ていれば、これからでも太陽光発電をお得に利用することができるでしょう。

    そこでこの記事ではFIT内容と、これから太陽光発電を設置するメリットはあるのかについて詳しく解説します。

    2023.08.16
  2. 太陽光発電

    2020年の太陽光発電の売電価格は?自家消費と売電の比較について

    お得に省エネや環境保護に取り組む方法として太陽光発電の導入を考えている方もいるでしょう。太陽光発電で得られた電力は、電力会社に買い取ってもらえます。しかし、売電で得をするのかどうか分からずに不安という方もいるのではないでしょうか。

     

    そこでこの記事では、2020年の太陽光発電の売電価格や太陽光発電を設置した際のメリットをご紹介します。電力会社別の売電価格や蓄電池についても解説するので、太陽光発電が注目されている理由が分かるでしょう。

     

    2021.03.16
  3. 太陽光発電

    売電スタートはいつから?太陽光発電システム完成までの流れと売電単価

    太陽光発電で得た電力を売電するには所定の手続きが必要です。これからシステムの導入を検討している場合、いつから売電をスタートできるか分からない方は多いのではないでしょうか。売電開始のタイミングやスケジュールを知っていれば、余裕をもって手続きを進められるでしょう。

     

    そこでこの記事では、売電に必要な手続きや開始までの流れを紹介します。併せていずれ迎える卒FITに向けて、その際に必要な手続きも確認しましょう。

     

    2021.03.26