住宅用太陽光発電の日常点検が自分でできる!まる分かりポイント解説!
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住宅用太陽光発電の日常点検が自分でできる!まる分かりポイント解説!
太陽光発電

住宅用太陽光発電の日常点検が自分でできる!まる分かりポイント解説!

住宅に設置された太陽光発電システムを有効活用するためには、日頃のメンテナンスが重要です。専門会社へ依頼するケースも多く見られますが、十分に点検できているか不安に感じることもあるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、自分でできる太陽光発電の日常点検について詳しく解説します。適切な頻度や点検のポイントを押さえておくと、長く安定的に運用できるでしょう。専門会社に依頼すべきかどうか判断するための基準や、保管が必要な書類も紹介します。

 

なぜ太陽光発電は点検が必要なのか?

太陽光発電によるメリットを享受するためには、導入だけでなく運用中のメンテナンスも必要です。定期的な点検を怠ると、不具合に気付かないままになるかもしれません。経済産業省からメンテナンスの実施が求められているため、システム点検の必要性をしっかり理解しておきましょう。

 

イメージは自動車の定期点検や車検

太陽光発電システムの機器点検は、安全な状態で運用できるよう、あらかじめ定められた基準に則って実施するものです。安全性の維持を目的としているという意味では、車の定期点検や車検と同様の役割を担っているといえます。

 

点検せずに放っておくと起きやすいトラブル

定期的な点検を怠ったまま運用を続けた場合、故障や不具合に気付かず放置してしまう可能性があります。具体的なトラブルの例は以下です。

 

・太陽光発電パネルが発熱してバックシートが焦げた

・バックシートが腐食・剥離している

・太陽光パネルが損傷している

・架台がさびている

・バイパスダイオードが故障している

 

太陽光パネルをはじめとする機器は、日常的に目視で状態を判断できるわけではありません。住宅用は屋根上に設置するケースが多いため、落雷による被害や外的影響による太陽光パネルの損傷なども気付きにくいといえるでしょう。発見が遅れると、状態が悪化して稼働不能になったり、修理費用がかさんだりといったリスクにもつながります。

 

経産省が保守点検の実施を推奨

メンテナンスの必要性を理解するためには、経産省が推奨する保守点検の内容もチェックしておきましょう。FIT制度(固定価格買取制度)の改正にともない、以下のような点検基準・内容を推奨しています。

 

・電気事業法で定められた技術基準に適合しているか

・民間団体の保守点検ガイドラインに従っているか

・保守点検や維持管理計画の策定

 

あくまでも推奨となっているため、全てが義務付けられているものではありません。ただし、安心かつ安全な運用を目指すなら、推奨内容通りに実施するのが賢明といえるでしょう。

 

太陽光発電の点検の種類と頻度

太陽光発電関係の点検内容は、運用期間やメンテナンスの種類によって異なります。基本的にはガイドラインを基に進められますが、機器や依頼先業者の規定によって内容が変更になるかもしれません。より安全な状態を維持するためには、日常的な点検を習慣化する意識も大切です。点検の具体的な種類やタイミングについて解説します。

 

住宅用太陽光発電システムの保守点検ガイドライン

販売・施工会社や利用者が実施すべき点検内容を明確にするため、日本電機工業会および太陽光発電協会から発行されているのが「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」です。

 

太陽光パネルや配線など機器ごとの項目を細分化し、複数のチェックポイントから構成されています。日常点検や定期点検といった内容を認識しておくと、利用者自ら点検する際にも役立つでしょう。

 

設置直後(運転開始前)の点検

太陽光発電の設置直後は、トラブルが発生しやすいタイミングといわれています。施工時の不備や設置機器の初期故障があると、運用をスタートした直後に発覚するためです。具体的には以下のような例が挙げられます。

 

・端子台が破損していた

・ボルトが適切に締められていなかった

・架台を取り付けるパーツが外れていた

・ケーブルが正しく接続されていなかった

 

施工会社の多くは「竣工検査(完成検査)」を工事完了の条件としていますが、依頼先によって工事の進め方は異なるため注意が必要です。契約や設置を終えた後のトラブルを避けるために、検査報告書の共有を求めたほうがよいでしょう。

 

運転開始1年目の点検

太陽光発電の定期点検の実施が多いのは、導入から1年が経過したタイミングです。1年の間に軽微な不具合が発生することもあります。運用環境に左右されるケースもありますが、早い段階で発見すると良好な状態を維持しやすくなるでしょう。

 

メーカーや販売会社により異なるものの、1年目なら太陽光パネルをはじめとする多くの機器に保証を適用できます。

 

保証期間内であれば、本来費用が発生する点検・修理もコスト削減が可能です。2年目以降安心して運用し続けるためにも、1年目の点検は必須の作業であると考えましょう。

 

定期点検の頻度と点検内容

ガイドラインに記載されている点検内容は、「導入から何年経過しているか」によって異なります。詳細は多岐にわたるため、代表的な例として以下をチェックしておきましょう。

押さえておきたいのは、機器そのものの状態を目視で確認する以外に、電圧などを測定して確かめる必要がある点です。上記の他、異常音の有無や周囲の状況確認も点検項目に含まれます。

 

日常点検の習慣化が大切

基本的に、太陽光発電システムをメンテナンスするのは専門会社です。自身でメンテナンスしたり放置したりすると保証が受けられなくなるかもしれません。太陽光パネルや架台を直接確認する必要はありませんが、利用者自身による日常的な点検も重要といえるでしょう。

 

目視やモニターチェックなど、日頃からチェックを心掛けることで、万が一トラブルが発生した場合も負担を最小限に抑えられます。

 

自分でできる日常点検のポイント

自分で点検する場合は、あくまでも簡易的な作業に限定しましょう。むやみに専門的な点検をしようとすると、かえって劣化を進めたり故障の原因になったりするかもしれません。点検の依頼先とトラブルにならないよう、スケジュール確認や点検管理表の作成も実践してみましょう。日常点検に役立つ5つのポイントを紹介します。

 

点検スケジュールを計画する

「いつどのようなメンテナンスをするか」を明確にするため、スケジュールをカレンダーなどに書き込んで可視化するのがおすすめです。10年、20年といった頻度では実施のタイミングも判断しづらくなるため、大まかな点検時期を自覚するためにも役立つでしょう。

 

可能であれば、信頼できる専門会社に相談してスケジュールを作成すると安心性も高まります。点検項目はなるべく細分化し、数年後に確認しても内容が分かるよう意識しましょう。点検に必要な費用を蓄えるための目安にもなります。

 

モニターのデータ管理

発電量や消費量、売電量といった具体的な数値は、備えられたモニターで確認できます。保存できる期間は機器によって異なるため、定期的に記録して過去から現在までの状況をチェックしておきましょう。一部のモニターでは、CSVなどのファイル形式でデータを出力できます。

 

データ管理のメリットは、発電システムの異常を発見しやすい点です。発電量が急激に低下したりストップしたりしたとき、日常的に確認していると気付きやすくなります。

 

日常点検の内容と注意点

日常的にチェックしやすいのは、接続箱やパワコン(パワーコンディショナ)といった機器です。太陽光パネルは簡単に確認できないケースも多いため、安全にチェックできる内容に絞って実施しましょう。具体的な内容は以下です。

日常点検の頻度が高いほど、異常を早期に発見しやすくなります。無理に隅々まで確認する必要はありませんが、チェック項目や頻度を決めて継続的に実施できると安心です。異常と思われる要素がある場合は、なるべく早い段階で専門会社に相談しましょう。

 

点検管理表を作成して保管しておく

専門会社に依頼すれば、点検時の記録なども依頼先の担当者に任せられますが、可能であれば利用者自身で点検管理表(チェック表)を作成しておくのがおすすめです。

 

・点検を行った日付・次回の予定時期

・点検する機器の名前や場所

・点検の目的

・安全な状態であると判断できるか(判断するための基準)

 

上記のような項目をあらかじめピックアップしておくと、点検内容を記録しやすくなります。日常点検や10年後の点検など、将来の計画も踏まえた上で作成するとよいでしょう。

 

異常を疑ったら専門業者に連絡を

「目立つ汚れなら自分で修復できる」「些細な異常のため次回点検時に相談すればよい」などと自分で判断し、専門会社に伝えないままにしておくのは賢明といえません。

 

場合によっては重大なトラブルを招くリスクもあるため、通常と異なる状況を確認したときは早めに連絡しましょう。利用者自身で手を加えると、保証期間内でも適用が認められなくなる可能性があります。

 

定期点検や診断は専門会社へ依頼しよう

太陽光発電システムの導入から1年後、10年後といった定期点検・診断は、専門会社への依頼が適切な選択肢です。知識や経験がない方にとっては困難な作業も多いため、手を加える必要がある場合は専門会社への相談を前提に考えたほうがよいでしょう。屋根上に設置された太陽光パネルの異常は自分では気づきにくいため、特に注意が必要です。

 

太陽光発電の電気測定や異常診断は素人には難しい

太陽光発電の点検には、発電された電気量を測定したり機器の異常を見極めたりといった作業も含まれます。外観の傷や腐食などであれば目視で判断できますが、詳しい点検は素人にとって難易度の高い内容といえるでしょう。

 

点検を請け負う専門会社の中には、認定資格を保有する担当者も多く在籍しています。技能講習会などを受講し、テストに合格した人のみが得られる資格です。資格が必要とされるということは、それだけ専門性の高い領域だといえます。

 

知識を持たない利用者が安易に測定検査を行った場合、異常に気付かないまま運用し続ける結果になるかもしれません。利用者自身が実践できる点検は簡単な目視チェックであり、測定検査はプロへの依頼が前提と考えましょう。担当者が認定資格を持っているか否かは、依頼する専門会社を決める際の選定基準ともなります。

 

屋根上パネルの点検を軽視してはいけない

住宅用太陽光発電システムの場合、屋根の上に太陽光パネルなどを設置するケースがほとんどです。機器の状態を確認するためには、屋根上へ登って入念に目視チェックをする必要があります。

 

発電そのものに問題がなくとも、太陽光パネルが局所的にひどく汚れていたり架台のボルトが緩んだりしているかもしれません。「目視確認だから自分でもできる」と感じるかもしれませんが、屋根上から落下するリスクがある点も理解しておきましょう。

 

重大なトラブルに発展する可能性を考慮すると、知識と技術を備えた専門会社に依頼したほうが安心です。

 

点検費用の相場

太陽光発電の点検費用は、機器の種類や出力などによって変動します。一般的な戸建て住宅で電気測定や各設備の状態チェックをするなら、2万円前後が相場です。2時間~3時間で完了するケースが多いといえるでしょう。

 

点検は作業員1人で実施されるのが基本ですが、階段の数や屋根の形状などによっては2人以上で数時間を要することもあります。費用は契約前に提示されるため、内訳も確認した上で依頼の可否を決めましょう。

 

メンテナンスが必要となるケース

太陽光パネルがひび割れたりパワーコンディショナのヒューズが切れたりしたら、交換・修理が必要です。担当者の判断や機器の状態によって費用や内容は異なります。運用期間が長いほど、メンテナンスの必要性は高まりやすいといえるでしょう。メンテナンスが必要となるケースを5つピックアップし、詳しく解説します。

 

パネルのひび割れや鳥ふんなどの汚れ

太陽光パネルのひび割れがひどく発電効率に影響を及ぼす場合は、パネルそのものの交換が必要です。費用は点検時期や保証プランによって異なりますが、保険の適用などで負担が軽減できる可能性もあります。

 

ひどい汚れが問題視される状況であれば、洗浄の依頼も可能です。表面に付着した汚れを落とすことで、本来の発電能力を取り戻せます。担当者によって施工内容が変わることもあるため、不安な場合は他の専門会社にも相談してみるとよいでしょう。

 

ケーブルの損傷やコネクターのショート

ケーブルそのものが損傷したり露出部分の劣化が進んだりすると、電力の利用効率に悪影響を与えます。例えば太陽光パネルからパワーコンディショナに接続されるケーブルに問題がある場合、発電した電力を適切に変換できず住宅へ供給されなくなるかもしれません。

 

損傷するケーブルの種類によって、機器への影響も異なります。パネル間をつなぐコネクターがショートした場合は、なるべく早急なタイミングで交換・修理を依頼した方がよいでしょう。

 

固定部材の腐食や緩み

屋根・架台・太陽光パネルなどを接続するパーツは、経年劣化で緩んだり腐食したりする可能性があります。固定が緩むと太陽光パネルなどの大型機器が破損するリスクにもつながるため、十数年~数十年単位での交換が必要と考えたほうがよいでしょう。

 

多くのパーツは利用者本人で確認できないため、点検依頼する専門業者の担当者に屋根の上に登ってもらうことになります。交換や修理する箇所が多いほど費用もかさみやすいため、具体的な数や内訳もチェックしておきましょう。

 

ヒューズ切れ

パワコン内部に備わっているパーツのひとつに「ストリングヒューズ」があります。ヒューズが切れると十分に電圧を開放できず、発電効率の低下につながるかもしれません。パワコン内部の異常は、計測器検査で発見が可能です。

 

データ記録による日常点検でもチェックできるため、電圧の急激な低下が見られる場合は専門会社に相談しましょう。交換が必要な場合は、1本2,000円前後のストリングヒューズを購入して取り付ける対応がとられます。

 

パワーコンディショナの交換

太陽光発電の重要な役割を担うパワコンは、永久的に使えるものではありません。寿命を迎えたり故障したりといった理由で、交換が必要になることもあります。保証の適用範囲内であれば、メーカーや代理店への交換依頼が可能です。

 

台風などの自然災害が理由で故障した場合、火災保険の適用によって負担を軽減できるかもしれません。パワコン本体の価格は機器によって変動するため、希望のメーカーや機器を明確にした上で業者に相談しましょう。

 

点検・メンテナンスに関する管理すべき書類

太陽光発電を運用する上で実施した点検やメンテナンスでは、報告書などの書類も保管できると安心です。これまでの点検内容を証明する資料としても役立つため、まとめて長期間保管しておきましょう。特に重要な3種類の書類について、記載内容など詳細を解説します。

 

点検報告書

太陽光パネルやパワーコンディショナの点検を終えた後は、実際にチェックした部位や結果を報告書に反映することが一般的です。専門的な項目もあるため全体の理解は困難かもしれませんが、今後活用する資料の一部として保管しておきましょう。

 

利用者自身で日常点検を実施できる場合は、詳細内容を分かりやすく記録した上で書面化しておくのがおすすめです。

 

製品の保証書・取扱説明書

点検時に受け取る書類だけでなく、各機器の保証書や取扱説明書も重要な書類といえます。火災保険に加入する場合は、保険証書も一緒に保管しておきましょう。トラブルが発生した場合、保証書などをチェックすることで手続きの流れも把握しやすくなります。連絡先も記載されているため、スムーズかつ適切に対処できるでしょう。

 

パネルのレイアウト図と配線回路図

太陽光発電システムの導入が完了した段階で、設置場所のレイアウト図や配線回路図を受け取ります。利用者自身が活用する機会はほとんどありませんが、他の書類と同様にまとめて保管しておきましょう。点検時に専門会社へ提出すると、チェック内容や項目を把握しやすくなるためです。

 

これらの書類は、FIT制度の申請手続きでも使用します。保管場所が分からず提出できない場合は、設置を依頼した販売・施工会社に相談してみるとよいでしょう。

 

まとめ

太陽光発電システムを安全かつ効率的に運用し続けるためには、定期的な点検・メンテナンスが必要です。チェック内容の多くは専門的な知識を要しますが、日常的な目視点検であれば利用者自身も実践できます。適切に点検を実施し、記録を残しておけば、トラブルを未然に防いだり、故障を早期に発見したりといった結果にもつながるでしょう。

 

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