実際どうなの?蓄電池オーナーの動向が示す蓄電池を購入した目的とメリット
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実際どうなの?蓄電池オーナーの動向が示す蓄電池を購入した目的とメリット
蓄電池

実際どうなの?蓄電池オーナーの動向が示す蓄電池を購入した目的とメリット

蓄電池が一般家庭でも用いられるようになってきていますが、「実際のところ、蓄電池ってどうなの」と感じている方もいるかもしれません。蓄電池を導入すると具体的にどのようなメリットが得られるのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、家庭用蓄電池の導入によって得られるメリットを紹介します。家庭用蓄電池を導入するメリットやベストタイミングが分かれば、自宅に合った蓄電池を探せるでしょう。

 

蓄電池の購入をためらってしまう主な理由

蓄電池の購入に踏み切れない方の中には、蓄電池を導入するメリットに疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。蓄電池は安い買い物ではないので、不安や疑問があると購入は難しいでしょう。ここでは、多くの方が感じている疑問について確認します。

 

価格に見合ったメリットがあるかどうか分からない

蓄電池の購入をためらう理由のひとつは、本体価格や設置費用に見合った恩恵が受けられるのか分からないという点です。蓄電池の使い方が分からず、自分たちのライフスタイルに合っているのか疑問に感じている方もいるかもしれません。具体的なメリットが把握できないと、購入に踏み切るのは難しいでしょう。

 

電気代が安くなっても本体価格が高いので意味がない

「蓄電池を導入すると電気代が安くなるらしいが、導入費用以上の節約効果はあるのか」というのも多くの方が抱えている疑問でしょう。「電気代は1か月当たりいくら安くなるのか」「導入費用100万円~300万円の元を取るのに何年かかるのか」といった費用対効果の計算方法が分からないと、具体的な運用プランを検討できません。

 

故障しやすく修理代が高くつきそう

蓄電池の耐久性や故障リスクが分からないのも購入をためらう理由として挙げられます。蓄電池は精密機械なのでデリケートなイメージを持っている方が多く、メンテナンスや修理費用の懸念、耐用年数の兼ね合いが気になることが購入に二の足を踏む要因です。

 

蓄電池の普及率の推移と今後の見通し

蓄電池は一般家庭に普及し始めた2011年から2020年現在まで、徐々に出荷台数を伸ばしています。年度ごとの出荷実績の推移は以下の通りです。

 

年度

出荷台数

対前年

2011年 1,939台 -
2012年 1万1,449台 590%
2013年 1万6,559台 145%
2014年 2万3,716台 143%
2015年 3万7,560台 158%
2016年 3万4,569台 92%
2017年 4万9,481台 143%
2018年 7万3,594台 149%
2019年 11万5,000台 156%

政府の補助金打ち切りの影響で一時的に出荷台数が落ち込んだ時期はありましたが、その後はまた順調に数を伸ばしています。以降は対前年度比も回復し、2019年度には累計36万3,867台を達成しました。

 

株式会社日本能率協会総合研究所提供の「MDB Digital Search」は2020年度の市場規模は1,000億円、2023年度には1,200億円に達するとの予測を発表しており、今後はさらなる普及率の向上が見込まれています。

 

(参考: 『JEMA 蓄電システム自主統計』: https://jema-net.or.jp/Japanese/data/jisyu/pdf/libsystem_2019.pdf)

 

蓄電池の購入理由のトップは「卒FIT」と「防災対策」

 

近年蓄電池の普及率が向上している大きな理由として、 FIT制度の満了を迎える家庭が出始めたことと防災対策需要が挙げられます。 FIT制度とは何なのか、なぜ FIT制度が満了すると蓄電池の需要が伸びるのか、気になる方もいるでしょう。災害時に蓄電池がどのように役立つのかも解説します。

 

2019年から随時満了する電力の買取

電力会社は自家発電で得た電力を国が定めた固定価格で買い取る義務を負うというのがFIT制度の概要です。FIT制度で定める固定価格は再生エネルギーの導入促進のために高めに設定されており、多くの売電収入が得られました。

 

しかし、FIT制度は住宅用太陽光発電の場合、10年間の調達期間を設けており、2019年から期間を満了した「卒FIT」世帯が出てきています。FIT期間が終わると売電価格が大きく下がるため、売電よりも自家消費を優先しようと、発電した電力を蓄えられる蓄電池の需要が向上しました。

 

このような背景から、近年蓄電池を導入した世帯は太陽光発電システムを併設しているケースが多数を占めています。卒FIT世帯は今後どんどん増加するので、蓄電池の普及率もさらに伸びるでしょう。

 

防災意識を高めた大規模停電

2018年9月に北海道胆振東部地震の際発生した「ブラックアウト」や同月に台風により静岡県を中心に起きた大規模停電は、電力を自力で確保することの重要性を世に広く知らしめました。

 

静岡県を中心に起きた停電は、完全復旧までに6日間を要しています。情報化社会の昨今、電力は照明や娯楽だけでなく災害時の情報や身近な方の安否を確認する際に不可欠な存在です。重要なインフラである電力の供給を外部に頼り切ることの危うさを実感した方も多いでしょう。

 

大規模停電を経験した方や体験談を聞いた方がスタンドアローンで給電できるメリットを再認識し、蓄電池の導入を決めたケースが多く見られます。地震や津波といった天災が多い日本では、災害に備えて準備をしておくことは非常に重要といえるでしょう。

 

蓄電池が持つ複合的メリットとは

蓄電池は太陽光発電のように「売電して利益を得る」「電気代を軽減する」といった経済的なメリットだけを追求する設備ではありません。電気代を抑えられるだけでなく緊急時の備えにもなるといった複合的な役割を兼ね備えています。また、電力の平準化が進めば、日中の電気代の高騰を防ぐ役割も果たすでしょう。

 

蓄電池の導入によって得られる複合的メリットについて、電力消費と停電への不安解消という2つの面から詳しく考えなければなりません。以下の項で多角的に解説します。

 

蓄電池のメリット1. 理にかなった電力の消費

任意のタイミングで電力を蓄えたり消費できたりするのが蓄電池の大きなメリットのひとつです。効果的なタイミングを把握すれば、さらに蓄電池の恩恵を受けられるでしょう。ここでは、理にかなった電力の消費方法について解説します。

 

安い深夜電力を買って消費する

電力会社が供給する電気の料金は均一ではありません。電気料金は時間帯により異なるので、電気料金が安い時間帯の電力を蓄電池に蓄えれば、効率的に電気代を安く抑えられるでしょう。

 

一般的に活動する方が少ない深夜は電力が余りがちになり、電気料金が安くなります。蓄電池の充電は深夜に行うとよいでしょう。一方、電力の消費量が多い昼間は電気料金が高くなります。昼間は蓄電池に蓄えた電力を使うのがおすすめです。

 

また、電力会社によっては夜間の電気料金がさらに安くなるプランもあります。上手に利用すれば、より節約できるでしょう。

 

蓄電池に太陽光発電の電力を貯める

太陽光発電システムと蓄電池は相性が良く、効果的に電力を消費できます。電気料金が高い昼間は太陽光発電の電力を使用すれば、買電量が減るため電気代を大きく抑えられるでしょう。

 

太陽光発電は天気の影響で発電量が変わる不安定さが欠点ですが、天気が良い日の余剰電力を蓄電池に蓄えておけば、天候が悪く発電量が少ないときのサポートに回せます。一方、晴天が続く場合、蓄えた電力を夜間に使用することで季節を問わず効果的な電力消費が可能です。

 

また、太陽光発電で作った電力を消費せずにその時間蓄電池からの放電で自家消費をまかなえば、売電量を増やすという使い方もできます。ライフスタイルや環境に合わせた柔軟な運用が可能な点も魅力です。

 

蓄電池のメリット2. 停電への不安解消

蓄電池を導入するメリットのひとつとして、停電時の助けになることが挙げられます。地震や台風といった自然災害が多い日本では、停電のときに電気を使える環境を整えることで不安を解消し、大きな安心感を得られるでしょう。

 

乳幼児や高齢者がいる世帯は停電が命取りになることも

長時間電気が使えない状態は、体力のない乳幼児や高齢者にとって非常に危険な環境です。例えば、暗闇の中で乳幼児や高齢者の世話をするのは困難でしょう。真夏の熱帯夜にクーラーが使えないと熱中症や脱水症状を引き起こし、最悪の場合、命の危機に陥るかもしれません。蓄電池はこのような命取りになりかねない極限状況で大きな助けになります。

 

停電時に使用する電化製品の容量と時間で選べる

蓄電池には「特定負荷型」と「全負荷型」があり、電力を供給する範囲や使用できる電化製品が異なります。

 

「特定負荷型」は設定した特定のエリアにのみ電力を供給し、冷蔵庫のような電力供給が途絶えると困る電化製品の機能を維持するのに特化したタイプです。一方、「全負荷型」は家屋全体に電力を供給するタイプで、停電中も普段とあまり変わらずに電化製品を使用できます。

 

これだけを聞くと全負荷型のほうが優れていると感じるかもしれませんが、特定負荷型のメリットは価格が安いことです。他にも、サイズがコンパクトで設置場所に困らないことや電力の供給量を最低限に抑えるため必要以上に電力を使い過ぎないことも魅力として挙げられます。機能や価格を考慮して、必要性に応じたタイプを選びましょう。

 

蓄電池を導入するベストタイミング

 

電気代の節約や停電時の不安解消に大きな効果を発揮する蓄電池ですが、どのタイミングで導入するのがベストなのか悩んでいる方もいるでしょう。時期によって導入費用に大きな差が生じる場合もあるので、タイミングは慎重に見極めることをおすすめします。

 

太陽光発電を運用している家庭の場合

すでに太陽光発電を運用しているなら、FIT制度の期間が満了するまでに蓄電池を導入するとよいでしょう。卒FIT後は売電価格が大幅に下がり、売電しても今まで同様の収入を得られなくなるためです。売電よりも自家消費のほうが経済的な恩恵が大きくなるので、発電した電力を蓄えられる蓄電池は電力の有効活用に大きく貢献します。

 

また、以前は「ダブル発電は損」と言われていましたが、現在FIT制度での買取価格はシングル発電と同等です。これから太陽光発電の導入を考えているなら、蓄電池もセットにしたほうがシングル発電に比べて売電量が増える分、売電による利益も期待できるでしょう。

 

補助金を生かして導入しよう

地方自治体によっては、家庭用蓄電池の導入に際して補助金が出る場合があります。補助金を受けられる条件や金額は自治体によって異なるので、蓄電池を導入する前に住んでいる地域を管轄する自治体の補助金の有無や条件をしっかりと確認しましょう。

 

補助金を受けるには、申請期間中に申し込まなければなりません。ただし、補助金には予算を設けている場合があり、申請期間内でも募集を終了することがあるので注意が必要です。蓄電池の導入を考えている方は関連情報を随時チェックしましょう。

 

蓄電池のよくある質問

ここでは、蓄電池に関してよく寄せられる質問と回答を紹介します。特に、蓄電池の導入を検討する際の悩みについて解説するので、判断に困っていることや導入前に把握しておきたい疑問を解決するのにお役立てください。

 

蓄電池の寿命は何年?

蓄電池にはいくつか種類があり、電池の種類によって耐用年数は異なります。ニッケル水素電池は5年~7年、 鉛蓄電池は17年程度が目安です。また、家庭用蓄電池として多く普及しているリチウムイオン電池は10年~30年と環境によってかなり幅があります。家庭用蓄電池の場合では15年~20年、サイクル数では6,000回~12,000回が目安になるでしょう。

 

蓄電池を長持ちさせるには、「温度が高い環境下での運用を避ける」「過充電や過放電をしない」といった配慮が大切です。電池のサイクル限度に達する前に寿命が来ないように正しく管理しましょう。

 

メンテナンスは必要?

蓄電池は特に定期的なメンテナンスを必要としません。蓄電池の機能としてメンテナンスモードを搭載しているものや常にメーカーの監視を受けられる機種もあり、メンテナンスフリーで手間をかけずに運用できます。

 

ただし、内部に異物が入り込むと機能に悪影響を及ぼすことが考えられるので、ほこりや砂をかぶっているときは外回りを掃除したほうがよいでしょう。

 

停電から何時間くらい電気が使える?

電気を使用できる時間は、蓄電池の定格容量や定格出力によって変動します。また、使用する電化製品の電力消費量も関わるため、一律的な使用時間は決まっていません。

 

現在の蓄電池の主流の規格である「定格容量5kWh・定格出力2kVA」の機種を使用して、生活に必要な一般的な電化製品を稼働させると仮定すると、約10時間~11時間ほど使えるといわれています。試算にはパソコンやテレビを含んでいるので、これらを使わなければさらに長時間使用が可能です。

 

故障しやすい部品などはあるか?

蓄電池は電気を蓄える電化製品なので、感電により内部の部品がショートする危険性があります。バッテリーが発火したというニュースが世間を騒がせることがありますが、蓄電池もバッテリーです。感電による発火から事故につながる可能性はゼロではありません。

 

故障を避けるには、「乱暴に扱わない」「機器を濡らさない」といった精密機器に対する取り扱い上の注意を徹底することが大切です。

 

具体的な経済効果を教えて

太陽光発電のFIT制度適用期間中は売電価格が高いので、家庭で消費せずに売電したほうがお得です。2020年度現在の売電単価は1kWh 当たり21円なので、1か月に300kWh売電した場合、毎月6,300円の売電収入が期待できます。

 

一方、卒FIT後は1kWh当たりの売電価格が7円~9円程度になることがほとんどなので、売電よりも自家消費のほうがお得です。深夜に蓄電して日中に消費するといった工夫で経済効果を高められるでしょう。

 

生活環境に合ったベストの蓄電池を選ぶには

自分の生活環境にマッチした蓄電池を選ぶには、家族構成や使用する家電を考慮することが重要です。補助金を受けられるタイミングは地域ごとに異なるため、導入タイミングにも気を配る必要があります。

 

また、蓄電池は単一で完結する機器ではなく、太陽光発電システムのような他の設備との兼ね合いも大切です。専門的な知識がなければ環境に適した機種を選ぶのは難しいでしょう。リベラルソリューションは新しい電力のアドバイザーとしてベストな機種選びのお手伝いをしています。蓄電池選びでお悩みの際はぜひご相談ください。

 

まとめ

蓄電池の購入をためらってしまう主な理由として、「購入費に見合ったメリットを得られるのか」「元を取る前に故障して修理費がかかるのではないか」といった不安が挙げられます。「蓄電池ってどうなの」と疑問に感じる方もいるでしょう。

 

しかし、実際には卒FIT世帯の電力の有効利用や防災準備として注目されており、蓄電池の普及台数はここ数年で大きく伸びています。補助金制度を利用すればお得に導入できるので、信頼できる業者に相談し、検討するとよいでしょう。

 

蓄電池のことで分からないことがあれば、リベラルソリューションの面談やお問い合わせフォームをご利用ください。スマート電化の専門家が適切にサポートします。