モジュールとソーラーパネルは同じ?太陽光発電選びには変換効率が重要!
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モジュールとソーラーパネルは同じ?太陽光発電選びには変換効率が重要!
太陽光発電

モジュールとソーラーパネルは同じ?太陽光発電選びには変換効率が重要!

太陽光発電について調査すると、「モジュール」や「ソーラーパネル」という用語を頻繁に耳にします。この2つの違いが分からないと疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、モジュールとソーラーパネルの違いを含む太陽光発電の基礎知識を紹介します。変換効率の重要性について学べば、ライフスタイルに合わせて最適な太陽光発電を選べるでしょう。

 

太陽光発電のモジュールとソーラーパネルの違い

「モジュール」と「ソーラーパネル」は、いずれも太陽光を受けて電気エネルギーを生み出す装置の名称です。呼び方が違うだけで同じものを指しています。他にも「太陽電池パネル」「太陽光パネル」といった呼び方がありますが、これらも同じものです。

 

太陽熱温水器のような太陽光エネルギーを利用したシステムにソーラーパネルと呼ぶパーツがあり、区別するために太陽電池モジュールという言葉ができました。

 

【太陽光発電の基礎知識】太陽電池の単位を知ろう

太陽電池モジュールや太陽電池について調べていると、さまざまな単位が登場します。太陽電池について詳しく知りたい方は、ここで紹介する4つの単位をチェックしましょう。それぞれの単位を小さいほうから並べると以下の通りです。

 

・セル

・モジュール

・ストリング

・アレイ

 

太陽電池は小さなパーツが集まることで大きな電力を生み出します。単位について学べば、太陽光発電システムの仕組みを理解できるでしょう。

 

セル

セルとは太陽電池を構成するパーツの基本単位で、「太陽電池素子」とも呼ばれます。最小単位のため、これ以上分解できません。サイズは150mm~200mm四方前後のものが多く、単体での発電能力は3.5W~4W程度です。

 

セル単体の発電能力は低く、わずかな電力しか生み出せません。セルを複数組み合わせることで、必要な電力を得られるようにしたのが太陽電池です。

 

モジュール

複数のセルを組み合わせてパネル状に加工したのがモジュールです。ソーラーパネルとも呼ばれ、一般的に太陽電池と聞いて思い浮かべるパネルと考えればよいでしょう。

 

セルを保護するためにコーティングを施し、屋外に設置するのに必要な耐久性を確保しています。モジュールひとつ当たりの発電能力は170W~325W程度で、製品によって大きな差があるため注意しましょう。発電能力はあまり高くないため、必要な出力に応じて複数枚組み合わせなければなりません。

 

ストリング

複数のモジュールを直列に接続した回路がストリングです。ブロックやグループとも呼ばれます。モジュールを組み合わせることで、より大きな電力を得られるようにしました。

 

ストリングは、モジュールの性質に応じて直列のみの接続にしたり、直列と並列を組み合わせたりして設計します。複数のストリングを設置するときは、それぞれのストリングを構成するモジュールの枚数を可能な限りそろえるのが基本です。

 

アレイ

必要な電力を得られるように、複数のストリングを並列に接続した回路がアレイです。構成するモジュール全ての出力を合計するとアレイの容量となり、数値が大きいほど太陽光発電システム全体の発電能力が高いことを示します。

 

例えば、1枚当たり325Wのモジュールを10枚組み合わせたストリングを2つ並列に接続した場合、アレイに使用しているのは325Wのモジュール20枚です。したがって、アレイの容量は325W×20枚=6.5kWと求められます。

 

太陽光発電で重要なモジュールの「変換効率」とは?

太陽電池モジュールのカタログには「変換効率」という数値が記載されています。変換効率は太陽光発電を導入するときに重要な数値です。ここでは、変換効率が何を示しているのか、どのように計算すればよいのかをチェックしましょう。セルとモジュールの変換効率の違いも解説します。

 

太陽光発電における「変換効率」

太陽光発電の変換効率とは、セルやモジュールが受けた太陽光がどの程度を電気エネルギーに変換されたかを示す数値です。発電能力を表す数値ともいえるでしょう。

 

変換効率は太陽光発電を導入するときに重要な指標のひとつです。数値が高ければ高いほど、同じ量の太陽光エネルギーを受けたときに生み出す電気エネルギーが多くなります。限られたリソースでより多くの電気エネルギーを得るためにも、導入時は変換効率を意識しましょう。

 

変換効率の計算方法

太陽光電池モジュールに記載されている変換効率は、以下の計算式で算出できます。モジュール変換効率とは、モジュール1㎡当たりの変換効率を示す数値です。

 

・モジュール変換効率(%)=(モジュール公称最大出力(W)×100)/(モジュール面積(㎡)×1,000(W/㎡))

 

一例として、公称最大出力325W、幅1,590mm、奥行き1,053mmのモジュールの変換効率を計算しましょう。

 

・モジュール面積(㎡)=1.59×1.053=1.67427

・モジュール変換効率(%)=(325×100)/(1.67427×1,000)≒19.4

 

したがって、モジュール変換効率は約19.4%です。

 

セルとモジュールの変換効率の違い

変換効率には、モジュール変換効率以外にセル変換効率があります。セル変換効率とは、セル1枚当たりの変換効率を示す数値です。セル変換効率を算出するには、以下の計算式を使用します。

 

・セル変換効率(%)=出力した電気エネルギー/受けた太陽光エネルギー×100

 

接続した回路の電気抵抗による影響を受けないため、セル変換効率はモジュール変換効率より高い傾向があります。モジュールを比較する際には、表示されている変換効率が「モジュール変換効率」か「セル変換効率」か、きちんと確認しましょう。

 

モジュールの素材によって太陽光発電の変換効率は異なる

モジュールは素材によっていくつかの種類に分けられ、それぞれ変換効率が異なります。ここでは、素材と変換効率の関係をチェックしましょう。主な素材は以下の4種類です。

 

・結晶シリコン系単結晶パネル

・結晶シリコン系多結晶パネル

・アモルファスシリコン薄膜パネル

・化合物系太陽電池

 

結晶シリコン系単結晶パネル

結晶シリコン系単結晶パネルは、高純度のシリコン結晶をスライスして製造します。2020年1月~9月のパネル出荷量に占める割合は83%で、最も多く市場に出回っているパネルといえるでしょう。

 

製造コストはかかるものの、変換効率が高いのが特徴です。中には、モジュール変換効率が20%を超える製品も存在します。これから太陽光発電を導入する方の多くは、結晶シリコン系単結晶パネルを選択することになるでしょう。

 

結晶シリコン系多結晶パネル

結晶シリコン系多結晶パネルは、単結晶パネルを製造する際に発生した端材や標準規格に適合しない単結晶パネルを原料として製造します。安価に製造できる反面、変換効率が低いというデメリットがあるため注意しましょう。モジュール変換効率は16%前後のものがほとんどです。

 

コストを抑えたい方にとっては有力な選択肢となるため、モジュール変換効率との兼ね合いを考慮して選ぶとよいでしょう。

 

非結晶シリコン(アモルファスシリコン)薄膜パネル

非結晶シリコン(アモルファスシリコン)薄膜パネルは、太陽電池を搭載した電卓や時計に使用されています。薄型化・軽量化が可能ですが、単結晶・多結晶パネルと比較して変換効率で劣るのがデメリットです。

 

また、長期間使用するとPID現象によって発電効率が大きく低下します。近年開発が進んでいるため、変換効率の向上とPID現象の克服が今後の課題となるでしょう。

 

化合物系太陽電池

化合物系太陽電池とは、多元素化合物半導体を使用した太陽電池の総称です。銅(Cu)、インジウム(I)、セレン(Se)の3元素を使用することから、CIS太陽電池とも呼ばれます。他にも、3元素にガリウム(Ga)を加えたCIGS太陽電池も有名です。

 

単結晶パネルに比べて変換効率がやや低い反面、製造コストを抑えられるのが特徴です。大量のパネルを設置する産業用に向いています。

 

太陽光発電の変換効率はさまざまな要因によって変化する

モジュールのカタログに記載している変換効率は最大値で、実際の変換効率はさまざまな要因で変化します。変換効率に影響を及ぼす主な要素は以下の通りです。

 

・気温:高温になると変換効率が低下する

・積雪:モジュールに積雪すると、太陽光が遮られて発電できなくなる

・経年劣化:設置から年数がたつと、変換効率が少しずつ低下する

・汚れ、影:モジュール表面に汚れがついたり何らかの影ができたりすると、発電効率が低下する

・塩害:塩害によるモジュールの破損によって変換効率が低下したり、発電できなくなったりする

 

上記のように変換効率が低下する要因はさまざまです。設置場所の環境に応じて適切に対策しましょう。例えば、雪の多い地域の方は除雪をし、塩害地域に設置するなら塩害対策を施したモジュールを選びます。

 

太陽光発電は信頼できる業者に依頼しよう!

太陽光発電を長期間運用するには、変換効率が良好な状態に保つことが大切です。変換効率はさまざまな要因で変化しますが、経年劣化や汚れは適切にメンテナンスすれば予防できます。太陽光発電を導入する際は安さだけを重視するのではなく、アフターフォローが充実している業者や実績豊富な業者に依頼すると安心です。

 

これから導入しようと考えている方は、変換効率をはじめとしたシステム面だけでなく、依頼する業者が信頼できるかどうかという点も考慮することをおすすめします。サポートが手厚く、トラブルや故障が発生した際にスムーズに対応してくれる業者を選ぶとよいでしょう。

 

まとめ

太陽光発電を導入する際は、限られたリソースでより多くの電力を得るため、変換効率を意識することが大切です。しかし、変換効率はパネルの種類や経年劣化といった要因で大きく変化します。

 

変換効率を高く保つには、設置後の定期的なメンテナンスが必要です。リベラルソリューションは太陽光発電の実績が豊富で、徹底教育した人材が万全のサポートを提供しています。太陽光発電の導入から運用中のフォローまで手厚くサポートしているため、業者選びで迷っている方はぜひご相談ください。