蓄電池を家庭に導入するメリットは?選び方のポイントを解説
LIBERAL SOLUTION
MAIL
蓄電池を家庭に導入するメリットは?選び方のポイントを解説
蓄電池

蓄電池を家庭に導入するメリットは?選び方のポイントを解説

蓄電池とは、あらかじめ充電して必要なときに利用するバッテリーの一種です。太陽光発電で発電した電気を蓄えたり停電時のバックアップ電源として利用したりといった理由で、近年家庭用蓄電池の需要が非常に高まっています。2022年は約143,034台以上が出荷されました。実際に蓄電池を設置するとどのようなメリットがあるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、蓄電池の特徴や導入のメリット・デメリット、選ぶときのチェックポイントをご紹介します。記事を読めば、蓄電池を光熱費の削減や災害対策に役立てられます。ぜひ参考にしてみてください。

環境にやさしく得したいなら蓄電池に注目!

蓄電池とは、電気を蓄えたり使ったりできる装置のことです。家庭に設置した場合、電気料金が安い時間帯に充電した電気を必要なときに利用できるので、うまく活用すれば電気料金の大きな削減に役立つでしょう。

また、太陽光発電を組み合わせれば、コスト面だけでなく環境面でも大きなメリットがあります。電気料金を節約したい方や環境保護を重視している方におすすめです。

家庭用蓄電池設置のメリットを知ろう

家庭用蓄電池には「独立型」と「連携型」があります。独立型は電力会社から供給される電気を蓄える蓄電池、連携型は電力会社の電気だけでなく太陽光発電からも充電できる蓄電池です。ここでは、それぞれの蓄電池の特徴とメリットをご紹介します。

 

電気料金が安くなる

独立型蓄電池はスタンドアロン型蓄電池とも呼ばれ、電力会社から供給される電気のみ充電できます。独立型蓄電池の効果的な使い方は、電気料金が安い時間帯に充電し、ほかの時間帯に必要な電力の一部を賄うというものです。

深夜帯の電気料金が安くなるプランを提供している電力会社が多いので、深夜に充電するとよいでしょう。蓄えた電気を電気料金が高い昼間に使用すれば、光熱費の削減に役立ちます。ただし、詳しい契約内容は電力会社によって異なるため、契約中の電力会社のプランを確認してみることが大切です。

太陽光発電との併用でゼロエネルギー化が図れる

太陽光発電とセットで蓄電池を導入する場合、太陽光発電システムと電力会社の商用電源いずれからも充電できる連携型蓄電池がおすすめです。

連携型蓄電池があれば、太陽光発電で作られた電気のうち使わなかった分を蓄えられます。蓄えた余剰電力は太陽光発電ができない夜間や発電量が減少する曇りや雨、雪の日に使うとよいでしょう。売電価格が下がっている今、余剰電力を電力会社に売電するよりも自家消費したほうがお得になる場合があります。

さらに、ガスの使用をやめてオール電化を導入することで、家庭で必要なエネルギーをすべて賄えるゼロエネルギー化も図れます。

 

災害の備えになる

蓄電池に電気を蓄えておけば、突然停電が発生しても電源を確保できます。地震や台風といった自然災害が多い日本では予期せぬ停電が発生することもあり、災害対策として有用です。

近年でも2023年3月にあった千葉県の地震では、震度4程度で県内北部の都市部を中心に22万軒が深夜に停電しました。また2023年5月の石川県の地震では、高圧送電線の破損が発生し、復旧のために送電が停止されて停電が発生しました。

このように地震の規模の大小にかかわらず、停電は発生します。夜間に照明が使えない状態や、スマホやテレビが使えず情報収集に支障が出てしまう事態は避けたいものです。

しかし、電力会社の送電が止まっても、家庭用蓄電池があれば安心です。必要な電力をまかなうことができますし、発電機と違って騒音も発生せず、静かでストレスフリーな点も災害対策としてメリットがあります。蓄電池で賄える電力には限りがありますが、停電しても慌てることなく、必要な電気を使えるのは大きなメリットといえるでしょう。災害時に蓄電池を利用するには自立運転に切り替える必要があるため、切り替え方法を事前に確認しておくことが大切です。

家庭用蓄電池設置ではここに注意

蓄電池には多くのメリットがありますが、同時にデメリットもいくつか存在します。これから設置しようと考えている方は、ここで紹介する3つのデメリットを事前にチェックしましょう。デメリットを知っておけば、実際に蓄電池を導入してから後悔することを防げます。

 

置き場所の確保

蓄電池はおおむねエアコンの室外機よりやや大きいサイズなので、設置するにはある程度のスペースが必要です。屋外設置型の蓄電池は以下の条件を満たす場所に設置しましょう。

 

・直射日光や風雨が当たりにくい

・重塩害地域や塩害地域に指定されていない

・振動や衝撃が少ない

・近くに熱源が存在しない

 

このような制限があるため、住宅によっては設置場所が限られるでしょう。また、重塩害地域への設置を禁止しているメーカーもあるため、該当する地域に居住している方は重塩害地域に対応した蓄電池や屋内設置型の蓄電池を選ばなければなりません。

 

満充電・カラにするのは避ける

家庭用蓄電池は、過放電や過充電を繰り返すとダメージを与える可能性があります。通常は過放電や過充電を防止する機能が搭載されていますが、容量を使い切ったり満充電にしたりするのはできるだけ避けたほうがよいでしょう。

リチウムイオンバッテリーはニッケル・カドミウムバッテリーとは異なりメモリー効果がないため、こまめに充電しても電圧が極端に下がることはありません。

初期費用がかかる

蓄電池を購入は大きな買い物と言えるでしょう。リチウムイオンバッテリーの価格はメーカーによってさまざまで、容量や機能によって価格は変わります。

また、蓄電池を設置するには基礎工事や配線の工賃といった費用もかかるので、初期費用として数百万円必要と考えてよいでしょう。しかし、売電収入によって月々の負担額が軽くなり、さらに電力会社への電気代支払いを削減できるので、ローンの完済も早くなります。国や自治体の設けている補助金・助成金制度を利用すれば初期費用の負担を低減させて蓄電池導入をお得に導入できる可能性もあります。家庭用蓄電池の導入を迷われている方は、今導入することがおすすめと言えるでしょう。

蓄電池の種類と特徴

蓄電池は、電極に用いる素材によって種類が分かれています。

普及している蓄電池としては、鉛蓄電池・ニッカド電池・ニッケル電池・リチウムイオン電池・NAS電池があり、産業用でも家庭用でもほとんどこれらの種類で占められています。

産業用蓄電池の特徴

産業用蓄電池と家庭用蓄電池のもっとも大きな違いは容量です。家庭用の容量は5kWhから15kWhですが、産業用になると15kWh以上になります。また、産業用蓄電池は種類も用途も幅広いのが特徴です。以下に主な種類と用途をご紹介します。

 

●鉛蓄電池

鉛蓄電池は、二次電池の中では最も古い歴史があり、今でも広い用途に使われています。

自動車のバッテリーやフォークリフトの他、通信用・機器操作用・バックアップ電源など幅広く用いられており、安価で実績が豊かで信頼性に優れた蓄電池です。その一方で、繰り返し充電するにつれて性能が低下したり、完全充電状態に近づくにつれて危険な水素ガスが発生したりといった問題や、方式によっては精製水を充填して電解液の水位を維持するメンテナンスの必要があるといった欠点もあります。

●ニカド電池

ニカド電池は、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極にカドミウムを用いる二次電池です。最大500回ほどの充電に耐え、安定した出力を発揮できます。しかし、放置しているだけで自然放電してしまったり、電力が残っている状態で充電してしまったりすると充電容量が減少してしまうメモリー効果があるといった欠点があります。また、電極に用いられるカドミウムが人体に有害であることから、近年では使用が減りつつあります

●ニッケル水素蓄電池

ニカド電池が有害物質を含むことから問題視されるようになり、ニッケル水素蓄電池がニカド電池を代替する二次電池として普及してきました。

正極にオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)、負極に水素吸蔵合金、電解液に水酸化カリウムのアルカリ水溶液を用いた二次電池です。エネルギー密度が高く、過充電・過放電に強いという性質があり、高出力・高容量・長寿命の人工衛星用バッテリーとして開発されました。主に乾電池二次電池や、ハイブリッドカーの動力源として用いられています。

●リチウムイオン蓄電池

正極にリチウム含有金属酸化物、負極にグラファイトなどの炭素材をもちいた二次電池です。ニッケル電池と比較すると、エネルギー密度と充放電エネルギー効率が高く、残存容量や充電状態が監視しやすいといった優れた特徴があり、二次電池にとって大きな問題だったメモリー効果がありません。産業用途としては、電気自動車のバッテリー、スマートグリッド用の蓄電装置に使用されています。蓄電池の中でも、現在最も活発に普及や技術開発が進められているタイプです。

●NAS蓄電池

NAS電池とは、正極に硫黄、負極にナトリウムを用いた二次電池です。リチウムイオン電池に匹敵するエネルギー密度があり、鉛電池よりも低価格・長寿命といった特長があります。主として産業用途の電池として用いられ、大規模電力貯蔵施設や負荷平準化、工場といった施設のバックアップ用電源として使われています。ただ、ナトリウムと硫黄を用いるだけに危険物扱いとなるのが欠点です。

●燃料電池

燃料電池は、一回きり使いきりの一次電池や、充電して再利用する二次電池とことなり、燃料(水素)と酸化剤(酸素)を供給し続けることで、水素と酸素の酸化還元反応から電力を作り続けることができます。振動や騒音の問題が無く、有害な排出物もありませんが、燃料と酸化剤の安全な取り扱いに課題があり、現状ではほとんど産業用途として用いられています。

家庭用蓄電池の特徴

家庭用蓄電池として多く採用されているのは、リチウムイオン電池です。スマホ・タブレット・パソコンなどの端末に使用され、自宅に蓄電池システムを導入していなくても、携帯用バッテリーとして利用されている方も多いでしょう。

家庭用蓄電池のひとつ、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた「太陽光蓄電池」もリチウムイオン電池の一種です。住宅の屋根などに取り付け、太陽エネルギーを電力に変換して蓄電します。エコで光熱費の削減にも役立つため、家庭用蓄電池として高い注目を集めています。

家庭用蓄電池を選ぶ際のポイント

蓄電池にはたくさんの種類があるので、自分のライフスタイルに合った蓄電池を選ぶとよいでしょう。実際に選ぶ際には、タイプ(独立型・連携型)や容量、保証内容といったさまざまなポイントがあります。ここでは、5つのチェックポイントをご紹介します。

容量はどれくらいか

蓄電池にはさまざまな容量のものがラインナップされています。たくさん電気を蓄えられたほうが得だと感じるかもしれませんが、同じモデルの蓄電池であれば容量が多いほど価格設定がたかくなります。しかし、価格を軸に購入を検討するのではなく、自信のライフスタイルに合った家庭用蓄電池を購入しましょう。

また、太陽光発電とセットで導入する際には、太陽光発電の発電能力に応じた容量を選びましょう。コストや容量、発電能力を総合的に考えて蓄電池を選ぶと、より快適かつ便利に利用できます。

 

何回充電できるか

蓄電池の寿命は「サイクル」という単位で表します。空の状態から満充電にし、再び0%になるまで使用すると1サイクルです。これを何回繰り返せるかで蓄電池の寿命が決まります。

蓄電池に用いられているリチウムイオンバッテリーは6,000~12,000サイクル前後が寿命とされているため、製品によってそれぞれ違うことがわかります。リチウムイオンバッテリーの寿命とは使えなくなるまでの充電回数ではなく、蓄電容量が一定の数値に下がるまでの充電回数を示す数値です。

太陽光発電と連携できるか

太陽光発電と蓄電池をセットで導入する場合だけでなく、すでに太陽光発電を利用している場合も、既存のシステムと蓄電池が連携できるかどうかチェックする必要があります。

太陽光発電と蓄電池を同時に設置するなら、太陽光発電システムからの充電と商用電源からの充電の両方に対応した連携型の蓄電池を選ぶことをおすすめします。また、蓄電池のみを新たに設置する場合、既存の太陽光発電に対応しているかどうか確認しましょう。

 

特定負荷型・全負荷型のどちらか

蓄電池には、特定の回路にのみ電気を供給できる「特定負荷型」と住宅内の回路すべてに電気を供給できる「全負荷型」の2種類があります。冷蔵庫やPCをはじめとした特定の機器にのみ電気を供給できればよい方は特定負荷型を、太陽光発電と連携して家の隅々まで電気を供給したい方は全負荷型を選ぶとよいでしょう。

特定負荷型は容量が少ない蓄電池が多いので、接続したい機器の合計消費電力が容量内に収まるかどうか確認することが大切です。また、エアコンやIHクッキングヒーターといった消費電力が大きい機器に電気を供給するなら200V対応のものを選びましょう。

 

保証がどの程度あるか

蓄電池は大きな買い物で、初期費用を回収するにはそれなりの期間が必要です。そのため、保証が重要になりますが、保証期間はメーカーによって異なるので注意しましょう。

また、保証内容もしっかりと把握する必要があります。アフターサポートが充実しているか、さまざまな故障に対応しているかといったポイントをチェックするとよいでしょう。

家庭用蓄電池設置に補助金はあるの?

初期費用を理由に蓄電池の導入を躊躇している方も、補助金があるなら前向きに検討できるのではないでしょうか。2019年度は国からの補助金を利用できました。しかし、国の補助金制度は2020年3月時点ですでに廃止しており、今後行われるかは不明です。

ただし、地方自治体によっては独自に補助金制度を実施している場合があります。これから蓄電池を導入しようと考えている方は、自分が住んでいる地域の補助金制度について調べてみましょう。急に発表したり締め切ったりする場合もあるため、こまめに情報をチェックすることが大切です。

お得な活用にコツが必要な蓄電池設置は信頼できる業者に相談を

蓄電池は太陽光発電やオール電化といった住宅設備とセットで利用することで、よりお得に活用できます。蓄電池を導入しようと検討している方は、住宅設備のトータルプロデュースが可能な信頼できる業者に相談するのがおすすめです。

リベラルソリューションでは太陽光発電や蓄電池だけでなく、スマート電化やリフォームも手掛けています。住宅設備のさまざまな面を見直し、蓄電池をよりお得に利用できるプランをご提案しますので、ぜひご相談ください。

まとめ

蓄電池は光熱費の削減や環境保護といった多くのメリットが得られる設備です。太陽光発電とセットで設置すれば、さらにお得に使えることを理解できたのではないでしょうか。新たに蓄電池を導入する方は、今回ご紹介したポイントをしっかりと押さえて蓄電池を選びましょう。

リベラルソリューションでは、蓄電池や太陽光発電の導入やメンテナンスを行っています。業界最大手で沖縄を除く全国に支社を持ち、カスタマーサポートも充実しています。ご自身のライフスタイルに合わせた住宅設備をトータルプロデュースしているので、これから導入しようと考えている方はぜひリベラルソリューションにお問い合わせください。

関連記事一覧

  1. 蓄電池

    蓄電池を設置するメリットとは?導入する人が増えている理由を解説

    蓄電池は太陽光発電でつくった電気をためるための機器です。節電に役立つだけでなく自治体の補助金を受けることができるなどメリットも多くあります。蓄電池を利用してみたいけれど、本当に節電できるのかと不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

     

    そこでこの記事では、蓄電池を設置するメリットや導入する人が増えている理由について解説します。導入時に知っておきたい注意点についても理解できるでしょう。

     

    2021.03.12
  2. 蓄電池

    家庭用蓄電池の充電方法は主に2つ!気になる仕組みについて

    太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)の買取期間終了や電気料金の値上がりなどの影響を受け、家庭用蓄電池の需要が高まっています。しかし「家庭用蓄電池の充電の仕組みがよくわからない」という方もいるのではないでしょうか。

     

    家庭用蓄電池にはさまざまなタイプがあり、それぞれ充電方法が異なります。そこでこの記事では、家庭用蓄電池の充電方法をタイプ別に解説します。充電方法やメリットをきちんと把握したうえで導入を検討しましょう。家庭用蓄電池の選び方や管理方法もあわせてご紹介します。

     

    2023.10.18
  3. 蓄電池

    実際どうなの?蓄電池オーナーの動向が示す蓄電池を購入した目的とメリット

    蓄電池が一般家庭でも用いられるようになってきていますが、「実際のところ、蓄電池ってどうなの」と感じている方もいるかもしれません。蓄電池を導入すると具体的にどのようなメリットが得られるのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

     

    そこでこの記事では、家庭用蓄電池の導入によって得られるメリットを紹介します。家庭用蓄電池を導入するメリットやベストタイミングが分かれば、自宅に合った蓄電池を探せるでしょう。

     

    2021.03.25