余剰売電の仕組みを理解すれば太陽光発電と電気代の将来が見えてくる!
LIBERAL SOLUTION
MAIL
余剰売電の仕組みを理解すれば太陽光発電と電気代の将来が見えてくる!
太陽光発電

余剰売電の仕組みを理解すれば太陽光発電と電気代の将来が見えてくる!

太陽光発電システムを有効活用するには、余剰電力を売電する仕組みを理解することが大切です。制度は数年おきに改正がある傾向ですが、昨今の取り組みを把握できていない方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、余剰売電の仕組みを制度の面から詳しく解説します。再エネ賦課金との関係が分かれば、太陽光発電システムの導入に対するメリットも理解しやすくなるでしょう。後半では、蓄電池のメリットや制度の将来性について紹介します。

 

太陽光発電の余剰電力を売電する仕組み

太陽光発電システムの効果を実感するために、まずは余剰電力を売る仕組みについて理解を深めましょう。2020年10月現在の買取制度に関する動向に加え、売電方法の違いやFIT制度の今後についてもリサーチが必要です。ここでは、事前に押さえておきたいポイントを紹介します。

 

余った電力の買取制度がスタート

2009年、電気事業者に対して余剰電力の買い取りを義務付ける「余剰電力買取制度」がスタートしました。2009年以前も家庭用太陽光発電システムで発電した電力の売電は可能でしたが、制度の開始により事業者の認定が必要となったのが主な変更点です。

 

2012年には「固定価格買取制度(FIT制度)」へと変わりました。あらかじめ定められた価格で余剰電力を売り、売電収入へとつなげる仕組みです。

 

太陽光発電システムが発電した電力は、全て家庭内で消費できるわけではありません。例えば、外出している日中に発電した電力を全て消費するのは難しく、太陽光発電の効果を実感しにくいでしょう。このようなデメリットを解消するのが余剰電力の売電です。家庭で消費しきれない電力を事業者に買い取ってもらうことで、売却益を獲得します。

 

余剰売電と全量売電の違い

売電は買い取ってもらう電力の割合に応じて、以下の2つに分けられます。

 

・余剰売電:消費しきれなかった電力を買い取ってもらう

・全量売電:消費量にかかわらず、発電した電力を全て買い取ってもらう

 

全量売電の場合、使う電気は通常通り購入する必要があります。その分、売電量は増えるので、売電収入にも差が出ると考えてよいでしょう。ただし、全量売電を選択するには太陽光発電システムの出力が10kW以上という条件があります。10kW未満の場合、売電方法は余剰売電に限定されるので注意しましょう。

 

余剰売電の買取価格について

余剰売電の買取価格を決めるのは、太陽光発電システムを導入したタイミングです。2016年~2020年の調達価格(買取単価)を例に挙げると、以下のような推移が見られます。

 

年度 出力の条件 調達価格
2016年 10kW未満(出力制御対応機器設置義務なし) 31円
2017年 28円
2018年 26円
2019年 24円
2020年 21円

 

調達期間は出力によって異なりますが、10kWの場合は10年間です。例えば、2020年にシステムを導入したと想定すると、今後10年間は21円の買取価格が適用されます。調達価格の変動と共に買取価格が変わるわけではありません。出力が10kW以上の場合、調達期間は20年間です。

 

卒FIT後の売電はどうなる?

調達期間を終えた(卒FIT)後も、売電は可能です。ただし、これまでと同じ電力会社では買い取ってもらえないケースもあり、契約先の規定を確認して正しく手続きする必要があります。

 

売電価格は、エリアや電力会社によってさまざまです。固定価格より10円以下になることも考慮したほうがよいでしょう。できるだけ効率的な運用を目指すには、それぞれの電力会社をリサーチしてプランを決めることが大切です。また、売電以外にも電気自動車の充電に使ったり蓄電池を設置したりといった自家消費にシフトする選択肢もあります。

 

余剰売電と再エネ賦課金の関係と仕組み

太陽光発電に深く関わる制度のひとつが「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」です。各家庭の負担額が増えているといわれていますが、具体的な背景を知るために概要や仕組みを理解しましょう。FIT制度との関係も踏まえた上で、2020年10月現在の動向について解説します。

 

再エネ賦課金とは

太陽光や風力、バイオマスといった再生可能エネルギーによって発電した電力は電気事業者が買い取ります。買い取りに必要なコストを、電気利用者全員で負担することを目的に設けられたのが「再エネ賦課金」です。再生可能エネルギーによる発電が増えれば日本のエネルギー自給率が上がります。電気料金の安定化を目指した制度ともいえるでしょう。

 

再エネ賦課金は、電気料金に上乗せされる料金です。FIT制度の導入により再生可能エネルギーの普及が進み、その運用を支える再エネ賦課金は年々増え続けています。今後負担額がさらに増えると予測されているのが問題点のひとつといえるでしょう。

 

2020年度の再エネ賦課金1kW当たりの単価

2020年5月~2021年4月の検針分に適用される再エネ賦課金の単価は、1kWh当たり2.98円です。経済産業省が全国統一で決定するため、電力会社による金額の違いはありません。1か月間に260kWh消費するケースを想定すると、再エネ賦課金の金額は以下の通りです。

 

・1か月の再エネ賦課金:774円

・1年間の再エネ賦課金:9,288円

 

太陽光発電で家庭の電力を賄う方が得な理由

再生可能エネルギーの普及に重要な役割を担う再エネ賦課金ですが、年々価格が上昇している現状を懸念する方もいるでしょう。

 

環境省の分析結果では、2030年が再エネ賦課金単価のピークとされています。再エネ賦課金の特性上、太陽光発電のような再生可能エネルギーシステムの導入量が多いほど高くなるためです。

 

再エネ賦課金の負担額が増えれば、電気料金の負担も増えます。今後の再エネ賦課金の負担増を考慮すると、電力会社から電力を買うよりも自家消費で賄ったほうがお得といえるでしょう。太陽光発電を導入すれば自家発電、自家消費することで買電量を減らせるため、再エネ賦課金の負担も減らせます。

 

太陽光発電と蓄電池のダブル発電の売電について

太陽光発電を有効活用する方法のひとつが「ダブル発電」です。ダブル発電とは太陽光発電システムと蓄電池を併用することで売電量を増やす仕組みで、売電による経済効果をより多く得たいときには知識を深めておくとよいでしょう。ここでは、蓄電池のメリットに触れながら、ダブル発電における売電価格の変化も紹介します。

 

蓄電池を導入するメリット

太陽光発電システムで発電した電力はリアルタイムで消費するか売電するために送電するのが一般的ですが、蓄電池を接続すると、発電した電力を一時的に蓄えることが可能です。蓄えた電力は発電量が少ない日や稼働しない夜間、停電時にも自家消費できます。

 

発電中の消費量より過剰に発電した電力も蓄電池があれば蓄えられるので、日中の消費電力が少ない家庭にもメリットが大きい方法といえるでしょう。

 

ダブル発電とは

太陽光発電システムと別の機器を併用することで、売電量のアップにつなげる方法が「ダブル発電」です。具体的には以下の例が挙げられます。

 

・天然ガスの発電システムと太陽光発電システムを併用する

・蓄電池に蓄えた電力を放電し、発電システムで生み出した余剰電力を収入につなげる

・蓄電池を搭載した電気自動車と太陽光発電システムを併用する

 

ただし、蓄電池を設置していても太陽光発電システムが稼働中に放電しなければ「押し上げ効果」とはならず、ダブル発電ではありません。押し上げ効果の有無がひとつの基準といえるでしょう。

 

ダブル発電で余剰電力の売電価格は下がる?

かつてはダブル発電の売電価格がシングル発電よりも安く設定されていたため、ダブル発電は損という考え方が一般的でしたが、2019年以降は価格面でのデメリットが解消されました。シングル発電とダブル発電の売電価格が同等になったためです。

 

2020年10月現在、ダブル発電はいっそうお得感を得られるでしょう。売電価格は同等でも売電量が増えれば、売電収入は増えます。また、蓄電池に蓄えた電力を消費することで、光熱費も下がるでしょう。

 

FIT制度のメリットを生かすには、売電価格が高く設定されているタイミングでの導入がおすすめです。FIT制度開始当時に比べると単価は下降傾向にあるため、早期導入を検討する価値は十分あるといえるでしょう。電気自動車への買い替えなど蓄電池以外の生活環境も考慮すると、さらに有益な結果が期待できます。

 

導入する前にプロに相談を

今後、蓄電池の導入を検討している方は、信頼性の高いプロに相談すると安心です。余剰電力の買い取り価格を左右するだけでなく、「特定負荷型」「全負荷型」といった機器の種類によって供給方法も変わります。「停電時にどのように活用したいか」も重要な基準なので、価格や性能のみで決めないよう注意しましょう。

 

機器の特性を理解した上で、シミュレーションするのがおすすめです。専門的な知識を持ったプロなら、将来性を分析しながら有益性を判断できます。生活環境によっても適切なプランは異なるため、ライフステージの変化も想定しながら相談しましょう。

 

これからは制度の変更や国の動向への注意がさらに必要

国策により推進されているFIT制度ですが、再生可能エネルギーに関する制度は今後も変更になる可能性があります。事実、現在まで複数回変更されており、厳密な予測は困難といえるでしょう。

 

また、制度に関する知識は理解するのが難しく、プロへの相談は重要です。政策への知見がある販売・施工会社なら、売電価格や制度の変遷も踏まえた上でプランニングできるでしょう。

 

どこに任せればよいのか分からないという方は、リベラルソリューションにお任せください。実績と知識を蓄えたスタッフが、希望に応じたプランをご提案します。

 

まとめ

太陽光発電システムの運用を有益な結果へ導くには、発電だけでなく余剰売電の仕組みを理解することも大切です。売電価格や規定は毎年変更されるものもあるので、近年の動向もチェックしながら導入や運用に役立てましょう。

 

リベラルソリューションでは、太陽光発電システムや蓄電池の販売からアフターサービスまで請け負っています。買取制度に関する手続き代行も受け付けているので、複雑な手続きが不安な方も安心してご利用ください。

 

関連記事一覧

  1. 太陽光発電

    太陽光発電の補助金が終了しても大丈夫!その理由と2024年度の省エネ補助金の展望を解説

    太陽光発電設備の導入数を増やすために、かつては国が補助金制度を設けていました。しかし、2021年以降は太陽光発電設備のみを対象とする補助金制度の復活が見込まれないため、導入することを躊躇している方もいるのではないでしょうか。

    そこでこの記事では、太陽光発電に関する補助金制度について詳しく解説します。補助金がない現状でも太陽光発電を今すぐ導入することが、お得といわれる理由が明確になるでしょう。後半では、太陽光発電以外に適用される補助金も2つピックアップしています。

    2023.08.24
  2. 太陽光発電

    太陽光発電は固定資産?固定資産税はかかる?

    太陽光発電の導入を検討していて、太陽光発電設備に固定資産税はかかるのか気になっているという方もいるのではないでしょうか。

     

    太陽光発電設備は、設備規模や使用目的によって固定資産税の考え方が異なるため、導入前に違いを把握しておくことが重要です。長期的な視点をもって、固定資産税の計算も踏まえておくことで、コストパフォーマンスの高い太陽光発電設備の導入ができます。

     

    そこでこの記事では、太陽光発電設備と固定資産税の関係についてご紹介します。太陽光発電の購入を検討しているのなら、固定資産税はどういった場合にかかるのか、いくらかかるのかを把握しておきましょう。

     

    2023.10.04
  3. 太陽光発電

    太陽光発電に必要な設備は?基礎知識からメリットデメリットまで解説

    太陽光発電設備の導入を検討している方の中には、必要な設備やメリットデメリットについて把握しておきたいという方もいるのではないでしょうか。必要な設備の仕組みや耐用年数を知ることで、メリットやデメリットについての理解を深めることができます。

     

    そこでこの記事では、太陽光発電に必要な設備や、メリットデメリットについてご紹介します。環境によく経済的にうれしい、太陽光発電設備の特色を把握しましょう。

     

    2023.10.11